【スティング名曲】Soul Cage ソウル・ケージ 一緒に牛乳配達をした父の死が?

”魂の檻”?「ソウル・ケージ」

1991年発表のアルバム、「ソウル・ケージ」。素晴らしい楽曲が収録されているアルバムです。まだスティングが若いころ。ちょうどスティングが40歳の時のアルバム。

スティングの最大のヒット曲ってなんですか。ときかれて、
スティングが「ポリス」のメンバーだった時からのファンの方は、「ロクサーヌ」と答える方は
多いと思います。
ロクサーヌの曲についてはコチラ👉【スティング名曲】娼婦への熱い恋❤1977年~33年以上売れ続ける最高傑作「ロクサーヌ」の秘密 歌詞和訳・背景

アジア圏であれば、スティングの最大のヒット曲ってなんですか。ときかれると
イングリッシュマン・イン・ニューヨーク Englishman In New York
お答えになる方が多いと思います。
イングリッシュマン・イン・ニューヨーク の曲についてはコチラ👉【スティング名曲】超ロングランヒット!イングリッシュマンインニューヨーク イントロコードは他曲と同じ? モデルはジェンダーレス71歳だった?

もしくは、映画の”レオン” で有名になったシェイプ・オブ・マイ・ハート Shape Of My Heart
お答えるかたも多いのではないでしょうか。
スティング シェイプオブマイハートについてはコチラ👉【スティング名曲】『シェイプ・オブ・マイハート』秘話:ストーンヘンジ岩下でひらめいた 映画レオン主題歌 30代男性&少女マチルダの愛と宇多田ヒカルサンプリング

そして欧米では、このアルバムにはいっている、マッド・アバウト・ユー(君に夢中)【Mad About You】をあげる方も多いと思います。※この曲については、もうすぐ投稿します。超熱い曲です。

あと、欧州ではホワイ・シュッド・アイ・クライ・フォー・ユー (なぜあなたのために泣かなきゃいけないんだ)【Why Should I Cry For You】を上げる方も多いと思います。

平均値?をとると、全世界的には「見つめていたい」(原題:Every Breath You Take
と答える人が多いと思います。
「見つめていたい」についてはコチラ👉スティング名曲】お前を監視している?ラブソングじゃなかった?「Every Breath You Take」邦題「見つめていたい」和訳・背景徹底解説!

そしてスティングの最大のアルバムって何ですか?ときかれたら、”ソウル・ケージ”(原題:The Soul Cages) といわれることは多いと思います。
ソウル・ケージのアルバムの簡単な概要はコチラ👉スティング名曲アルバム:ソウル・ケージ 魂の檻(The Soul Cages) ※このアルバムの収録曲にについては、乞うご期待!1つづつ記事かいていきます!

大衆ヤング向けにポップ的な売れる感じというような観点のアルバムではないですが、
音楽的に非常にすぐれていて、且つロックを感じさせ・・まあとりあえず大ヒットしてしまいました!
💙💙💙

スティング自身が彼の心と向き合ったアルバムだと多くのファンは感じ、
それが芸術性を高めたのではないかと思います。

そして最高傑作と言わることが多い要因になったのかと思います。

スティングのインタビューでは、彼は数年間このアルバム制作の前に、
曲が書けないというスランプに陥っていたそうです。

このアルバムの2年前にさかのぼります。1989年、スティングの父親がこの世を去ります。

彼はインタビューで、感情的にも創造的にも麻痺、
孤立し悲しむことができなかったといっています。
そして仕事に戻ろうと彼自身が自分に言い聞かせてできたのがこのアルバムだということです。

そしてイメージとしてでてきたのが、
ボート と 海、
そして造船所の影で過ごした子供時代。

このアルバムのジャケットにその雰囲気を感じるものが描かれているのでしょうか。


スティングの父親は牛乳配達を始める前は、
造船関連の機械工場のエンジニアでした。

そしてスティングが5歳になったころ、乳製品販売の経営権を譲り受け、
一念発起して、スティングの父親は職業を家族を養うために仕事を変えたのです。

1991年2月のインタビューで、スティングはこのアルバムについて、アルバムのテーマは本質的に死に向き合うものです。私にとって、この自分の年齢では重要な題目です、(The Adveriser :Australia, Feb. 1991) と語っています。

スティングは彼自身が書いた本「Broken Music」の中で、父親との最後の別れに触れています。ご紹介しますね。ただ私は、その場面を思い出すだけで、心が熱くなって、涙がこぼれそうになります。スティングの父親に対する思いは時につらく、そして最後に昇華するかのようだったのでしょうか。

彼の自伝の翻訳版が出版されていますので引用しておきます。皆さんはどうお感じになりますか。(スティング, 2011、東本貢司訳 p.474)スティングが「ぼくらは同じ手をしているよ。父さん、ほら」(原本:”We have the same hands, Dad, look.” Sting Broken Music , Sting, P328 2003)このスティングの言葉から、ウルウル・・・もう、心が熱くなってしまいます。

そしてスティングの父親が返します。「ほんとだな。だがね、お前はおれよりもずっと上手につかってきたじゃないか」(原本:”Aye, son, but you used yours better than I used mine.”)

スティングはその時の彼自身の状況をこう描写しています。
「私の喉から小さな鳥が逃げ出そうと暴れているような気がして、ほとんど息ができない。
記憶がもうレスな勢いで蘇る。こんなふうに父にほめられたことが一度としてあっただろうか。

私の存在を、わたしがやったこと、いや、やり遂げたことを、
あるいは、私が傷ついたことを、父は一度でも認めてくれたことがあっただろうか。

父は今まで待っていたのだ。その言葉がすばらしい響きで私を圧倒する、今この時まで。
最後の数分に疲れ切ったように、父はもう目を閉じていた。外はもう暗い。
私は父の額の真ん中あさしくキスをして、そして囁いた。父さんはいい男だ。好きだよ。」
(スティング, 2011、東本貢司訳 p.474)

スティング自身が書いた英語も載せておきますね。(Broken Music, Sing, 2003,A Dial Press, p.93)

There is absoute quite in the room.  There is something like a small bird fighting to get out of my throat and I can hardly breathe.  My mind is racing, trying in vain to remember when he’d ever paid me such a compliment, when he’d ever acknowledged who I was, or what I did, or what I’d achieved, or what it had cost me.  He had waited until now, when his words would would be devastating.
His eyes are closed now as if the last few minutes have exhausted him.  It is dark outside.  I kiss him softly in the center of his forehead, and whisper that he’s a good man, and that I love him.

最初の「ホワイ・シュッド・アイ・クライ・フォー・ユー」の作曲が大変だったようです。日本語で軽くこの歌のタイトルを訳すと、「なぜ僕はあなたのために泣かなきゃいけないんだ?」になるかしら。

軽くは流せない、深い言葉、それがスティングのメロディーと彼の声、そして彼の素晴らしいバンドで音楽として創造されるとき、それは悲しくも美しく、芸術的に姿を変えます・・と私は感じます。

本当にこころを揺さぶる素敵な曲です。また紹介していきますね。

まだまだ書き足らないのですが、というのも
このアルバムについては本当に多くが語られています。

また少しずつ書き足していきたいと思います。

まずはこのアルバムと同じタイトルの曲、「ソウル・ケージ」(原題:The Soul Cages)から紐解いていきたいと思います。もちろん「ホワイ・シュッド・アイ・クライ・フォー・ユー」も。

めちゃくちゃかっこいい曲ですよね~💛。
最初のエレキギターがたまらない。気が付くと、どっぷりスティング音楽の世界へとつかってるというかんじかなあ・・・

そしてなんどと2021年にこの「The Soul Cages」の30周年記念版が、初デジタル化され、新たに7曲を加わって13曲のボーナストラック盤で今配信されていますよ!

収録曲をご紹介しておきます。(かっこ)の中の日本語は私が独断と偏見で軽く意味を書いてあります。英語も書いておきますので、ご参考まで。


アイランド・オブ・ソウルズ (魂の島)【Island Of Souls】
オール・ディス・タイム(いままで)【All This Time】
マッド・アバウト・ユー(君に夢中)【Mad About You】
ジェレマイア・ブルース (パート1) (ジェレマイアのブルース)【Jeremiah Blues】(Part 1)
ホワイ・シュッド・アイ・クライ・フォー・ユー (なぜあなたのために泣かなきゃいけないんだ)【Why Should I Cry For You】
セント・アグネス・アンド・ザ・バーニング・トレイン(アグネス聖人と燃える列車)【Saint Agnes And The Burning Train】
ワイルド・ワイルド・シー (荒れる荒れる海)【The Wild Wild Sea】
ソウル・ケージ(魂の檻)【The Soul Cages】
ホエン・ジ・エンジェルス・フォール(あの天使たちが降りる時)【When The Agnels Fall】
ここからが2021年版のボーナストラックです。
10. I Miss You Kate (Instrumental)
11. Come Down In Time *
12. Tempted (Live) *
13. Ne Me Quitte Pas (Live) *
14. Oo La La Hugh *
15. Mad About You (Original Remix) *
16. Mad About You (Remix Edit) *
17. Mad About You (12″ Remix) *
18. Mad About You (Italian Version)
19. Why Should I Cry For You (Spanish Version)
20. Why Should I Cry For You (Extended Mix)
21. The Soul Cages (Edit)
22. All This Time (Edit)

(30/06/2023)


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